高齢者が年賀状を辞退するということ

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「年賀状来年から出さない」
「終わりにしたい」
「辞退します」

毎年お正月、受け取った年賀状を見ていると、このような内容の年賀状を見ることがあります。実家の親に届いた年賀状は特に多い印象。
親の知人や親戚なので、高齢による年賀状辞退が理由という方が
圧倒的に多いようです。

なんだか少し寂しいなぁ~とも思いますが、その他の理由はどういったものがあるのでしょうか。

とあるアンケートによる、年賀状辞退する理由は・・・

付き合いの範囲を身近なところまでにしたくなったから
・年賀状を出す相手が少なくなってきたから
・年末は忙しく年賀状作成の時間が取れず負担が大きいから
・年賀状を出すと逆に相手に迷惑なのではと気になるから
体力が落ちて自信がなくなってきたから
・LINEやFacebookなどのSNSやメールでの挨拶で十分だと感じるから


時代の進化に伴い、年賀状に対する考えも人それぞれ。
確かにどれもわかる気がしますね。

長く生きていれば生きているほど、出会う人は増え続け、おつきあいも広がっていきます。その都度、年賀状を送る相手を増やし続けていると膨大な量になってしまい、もう何年も会ってない、もしくは、おそらくもう会うこともない人にも出し続けているという状態になっている方も多いのではないでしょうか。

「年賀状はわしは生きてるよ」といったお知らせハガキのような存在…。
と高齢の父は言ってました(笑)
それはそれでいいのかもしれませんね^^

高齢の方でも趣味や時間を生かして、水彩画、押し花など手作りで手の込んだ年賀状を楽しんで作っている方もおられます。
高齢者施設などでもそういったワークショップを開いているところもあるそうです。気持ちも伝わるし、とてもいいことだと思います。

毎年やっている方ならわかると思いますが、年賀状を準備するにも、結構な労力と時間、体力が必要とされます。
年を重ねるごとに手の自由がきかなくなったり、病気や体力の低下により、準備はもちろん、友達から喪中や年賀状をいただいても返信を書けなくなったりすることもあります。

子供に準備や代筆を頼んでなんとか続けてきた年賀状も、今年限りでやめるという選択をせざるを得なくなることもあるかと思います。

断り方も悩むところです。

でも理由が「高齢のため」だと、理解が得やすいので正直に書くのがいいかと思います。「喜寿(77歳)」や「米寿(88歳)」など年祝いをきっかけにして、最後の年賀状に一言添えて差し出してみるといいかもしれませんね。 


辞退をお知らせする年賀状文例、いくつかまとめてみました。


【高齢者向け例文】———————————————–

あけましておめでとうございます
毎年いただいておりました年始のご挨拶ですが
小生 寄る年波を感じるに至り 誠に勝手ながら
今年をもちまして 新年のご挨拶状を最後とさせていただきます
今後も変わらぬおつきあいをお願い申し上げるとともに
皆様のご健康とご繁栄を心からお祈りいたします

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謹賀新年
○○様におかれましてはお健やかに新春をお迎えのことと存じます
さて 私も高齢になり 手足の衰えを感じるようになりました
毎年の年賀状も今年限りで失礼させていただきたいと思います
勝手ではございますが 今後も変わらぬおつきあいのほどお願い申し上げます

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あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
さて 私もよる年波には勝てず
毎年の年賀状をしたためることも難しくなってまいりました
本年をもちまして 年始のご挨拶状をご遠慮させていただこうと考えております
向寒のみぎり くれぐれもご自愛なさいますようお祈り申し上げます

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あけましておめでとうございます
お元気でお過ごしでしょうか
私も今年で○○(喜寿、米寿など)を迎えます
高齢になり今まで通りのお付き合いも難しくなってまいりましたので
本年をもちまして年始のご挨拶を失礼させていただきたいと思います
勝手ではございますがなにとぞご容赦ください
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております

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【代筆の場合①】
毎年いただいている年賀状についてでございますが
母(父)も○○歳と高齢になり 手元が覚束なくなってまいりました
今後年始のご挨拶については不義理をさせていただきたく誠に勝手ではありますが
なにとぞご了承賜りますようお願い申し上げます
本人は穏やかに過ごしておりますのでどうぞご休心ください
まだまだ寒い日が続きますが ご自愛くださいますようお祈り申し上げます

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【代筆の場合②】
長年にわたり年賀状を頂戴しております母(父)でございますが
寄る年波には勝てず 今後のご挨拶につきましては控えさせていただこうと考えております
勝手を申しますが どうか御了承いただけますようお願い申し上げます
母は穏やかな日々を過ごしております
皆様のご健康とご繁栄を心からお祈りいたします



高齢者にとっては重要な交友手段であり、相手との関係を大切にしながら、相手を思い合って何十年も続けてきた年賀状。

もしかすると、平成最後の年賀状ということもあり、高齢を理由だけではなく、これを機に年賀状をやめるという方もいらっしゃるかもしれません。

お正月に突然「あなたに年賀状はもう送りません」といった内容の年賀状が送られてくると、びっくりするものです。もしかしたら気を悪くする方も中にはいるかもしれません。

辞めるのは年賀状だけで、相手とのお付き合いまで断ちたいのではない
ということをきちんと伝えることがとても大切だと思います。

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