ビジネス年賀状はめんどくさい!? 5分でできるビジネス年賀状の作り方まとめ

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年末に向けて対応しないといけないことが増えてくる中、年賀状準備もその一つですね。

お取引先様、お客様に向けてお送りするために、住所録の追加、修正や、今年のデザインはどれにしようか・・など

毎年考えて、取り組まないといけないのは、やっぱり少し手間ですよね。

『「年賀状、作っておいて!」と頼まれたけど、どうやって作ればいいか分からない…』

『時間がなくて忙しいから、手っ取り早く年賀状の作り方を知りたい!』

『いろいろ調べるのが面倒だから、大事な点をまとめて知りたい!』

年賀状って1年に1回だし、作り方を覚えてないですよね?

調べずに作ってしまえば、知らないうちに、失礼な年賀状になったり、恥をかいたりしているかもしれません。

そのような失敗をしないために、この記事では「誰でも5分でビジネス年賀状を作れるようになる方法」をお伝えします。

ビジネス年賀状を出したことのない人でも、本記事を参考にしてもらえば、簡単にビジネス年賀状を作れるようになります。

それでは、順に確認していきましょう!

ビジネス年賀状の現状

年賀状つくりは面倒くさい!でも行事ごととして対応しないといけない!

そもそも、他の会社はまだ年賀状を出しているのでしょうか。

昨今、年賀状を出す人が減少しています。LINEやSNS、メールなどで年賀状の代わりにメッセージをやり取りするからです。一方、今でもビジネスの場では、デジタルツールを使うことは失礼に感じる人もいるでしょう。実際に、どれくらい世に出る年賀状の数が減っているのでしょうか。日本郵便が発表する年賀状の発行枚数を見てみると、2003年の約44億万枚をピークに、前年の2018年は約25億万枚に減少しています。

(引用元:ガベージニュース 2019/1/20掲載、年賀葉書の発行枚数などをグラフ化してみる(最新))

http://www.garbagenews.net/archives/2114695.html

しかし、ビジネスの場での年賀状が減っている印象はありません。ベンチャー企業やIT企業等を除けば、新年の挨拶の手段として使われることが多いのも事実です。一部上場企業でも、まだまだ年賀状を出す習慣は根強いのです。

現代こそ、ビジネス年賀状を出すべき2つの理由

減少傾向になるからこそ、年賀状は出すべきです。なぜなら、他の企業と差別化できるからです。新年の挨拶をメールなどでやり取りする企業が増えれば増えるほど、実物の年賀状をもらうと「おっ、この企業は年賀状をくれたのだ」と認知してもらえ、取引先の印象に残るでしょう。そうなれば、コミュニケーションが円滑にいったり、取引先との関係がよくなったり、仕事の成果もあがるかもしれません。

実際のデータを見てみると、多くの人が「年賀状がないと寂しい」「年賀状をもらうと嬉しい」と感じているのがわかります。

株式会社パイロットコーポレーションが2016年に、20代〜60代男女418人のビジネスパーソンを対象に「年賀状について」のアンケート調査したデータがあります。

「年賀状はあったほうがいいか?」と尋ねると、77.5%の人が「年賀状は必要」だと回答しました。加えて「必要な理由」を尋ねると、48.1%の人が「お正月らしくなくて寂しい」と回答し、37.0%の人が「年賀状をもらうと嬉しい」と回答しています。(複数回答あり)

https://www.pilot.co.jp/press_release/pdf/nengajo_pilot_2017.pdf

また同調査で、「手書きメッセージ」を添えると、喜ばれることもわかっています。

「手書き箇所の有無」を尋ねると、93.2%の人が「手書き箇所がある」と回答しました。加えて、「手書きする理由」を尋ねと、53.3%の人が「気持ちが伝わるから」と回答し、30.0%の人が「自分が手書きの年賀状をもらうと嬉しいから」と回答しています。(複数回答あり)

つまり、年賀状を出すことで、受け取った人は嬉しいのです。加えて、年賀状を出す企業が減っているため、他社との差別化を図れますし、取引先との関係が円滑になるチャンスもあるでしょう。以上から、ビジネス年賀状は、ビジネスをスムーズにするための優秀なツールであるといえます。

ビジネス年賀状のマナーとやってはいけないこと

ビジネス年賀状が重要なことはわかりましたね。

だからといって、ただ送ればいい訳ではありません。失礼な文言や間違ったマナーで年賀状を送ってしまえば、取引先との関係を悪化させてしまうこともあります。送る側はなんとも思っていなくても、受け取った側は「なんて失礼な人だ!」と感じることもあります。年賀状にはいくつかのマナーがあります。失礼のないよう、十分に気を付けましょう。

横書きはNG

ビジネス年賀状を横書きにしてしまう人は少なくありません。横書きのハガキは珍しくないからです。親しい人に書く場合は問題ありませんが、ビジネスでの年賀状では失礼なマナーの1つ。必ず、縦書きで書きましょう。

縁起の悪い言葉を使ってはいけない

新年のはじめを祝う年賀状に、縁起の悪い言葉を使ってはいけません。日常的に使う言葉でも、年賀状では失礼に当たることもあります。もっとも気をつけたいのは「去年」と「忙しい」です。「去」は「去る、離れる」という意味があるため、縁起の悪い言葉とされています。同様に、「忙しい」は「亡くなる」という文字が入っているため、使ってはいけません。

NG→「去年」

OK→「昨年」「旧年」

NG→「忙しい」

OK→「立て込む」「大変」

他にも、「失う」「暗い」「絶える」などの忌み言葉は避けましょう。

句読点を使わない

文章を書くときに、「句読点」を使うと思います。しかし、ビジネス年賀状では使ってはいけません。「句読点」は終わりを意味するため、新年のはじめを祝う年賀状には適さないからです。「。」「、」などは使わないようにしょう。ただし、どうしても「句読点」をつけないと読みにくい場合は、改行を入れて読みやすくしてください。

賀詞が2文字は失礼

ビジネス年賀状において、2文字の賀詞はNGです。賀詞とは、年賀状の文頭に書く新年のお祝いの言葉のこと。「賀正」「謹賀新年」「謹んで新年をお祝いします」などが代表的な賀詞です。いくつかの種類があり、文字数もバラバラです。しかし、ビジネス年賀状では、4文字以上の賀詞を使ってください。2文字の賀詞は、目下の人に使うというマナーのため、取引先に出す年賀状では避けてください。他にも、「新年あけましておめでとうございます」や「A HAPPY NEW YEAR」も使わない方が無難です。

NG→「賀正」「迎春」「A HAPPY NEW YEAR」「新年あけましておめでとうございます」

OK→「謹賀新年」「謹んで新年をお祝いします」

賀詞の重複はNG

気づかずに年賀状でマナー違反を犯しがちなのが、賀詞の重複です。たとえば、年賀状のデザインの中に「謹賀新年」と入っているにも関わらず、賀詞に「謹んで新年をお祝いします」と書いてしまうこと。その場合、同じ意味を繰り返していることになります。完成した後は、賀詞が重複していないか確認してしましょう。

年賀状に合わないフォントはダメ

年賀状を作るときに、フォントを気にしていますか?実はどの書体を使うかで、相手の印象は変わるもの。ビジネス年賀状では、ポップな丸いフォントや見にくいフォントは使ってはいけません。手書きメッセージを書く場合は、色ペンは使わず、黒文字のボールペンで書いてください。使うフォントは「明朝体」「行書体」「楷書体」「教科書体」がおすすめです。特にフォーマルで、筆で書いたように見える「楷書体」は、大人っぽい印象を与えます。一方、カジュアルな印象を与える「ゴシック体」はあまり使われません。

NG→「ビジネス年賀状に合わないフォント」

OK→「ビジネス年賀状におすすめのフォント」

年賀状が元旦に到着しない

ビジネス年賀状の投函は、元旦に到着させるために「12月15日〜25日」の間に投函しましょう。到着が早すぎたり、遅すぎたりすると、失礼に当たります。日本郵便によると、年賀ハガキの引受開始日は、2019年12月15日(日)からです。注意したいのは、引受開始前(2019年12月14日以前)に差し出された年賀状は、年内に届いてしまうことです。必ず、12月15日〜12月25日までに投函しましょう。

ビジネス年賀状の詳しい作り方

ここからは、具体的なビジネス年賀状の書き方を解説していきます。

一部でプライベートの年賀状と違う部分があるので、気を付けてください。住所や宛名を記載する「宛名面」と、絵やデザインなどが印刷されている「裏面」に分けて解説していきます。

「宛名面」を作る7つのポイント

まずは宛名面を7つのポイントに分けて解説していきます。ビジネス年賀状で特に気をつけるべきポイントは「会社名」「部署名」「役職」「敬称」です。

住所

  • 住所は、ハガキ右側に書きます。書く場所は、「郵便番号の枠」と「ハガキの端」のそれぞれ1文字分スペースを空けたところ。
  • 都道府県は省略せずに書きましょう。
  • 番地は漢数字を使ってください。

 たとえば、「12番地」であれば、「十二番地」と書いてください。縦書きになると、読みにくくなってしまうからです。

  • 住所は2行以内に書き切りましょう。番地の途中での改行はわかりにくくなってしまうため、避けましょう。もし改行するときは、上から1文字分空けて書いてください。
  • マンション名などは省略せずに書いてください。アルファベットが入っている場合、必ず縦書きで書きましょう。

会社名

  • バランス良く会社名を書くには、住所と同じ高さ、あるいは、1文字空けた高さが最適です。
  • 会社名は、省略せずに書いきましょう。

 NG→(株)、(有)、(合)

 OK→株式会社、有限会社、合同会社

  • 会社名は、1行で書き切りましょう。改行すると、失礼に当たります。

部署名

  • 部署名を書く場所は「会社名の下」、あるいは、下に書けない場合は「改行して会社名の左隣の同じ高さ」に書きます。

役職

  • 宛名の上に書きます。ただし、宛名よりも小さな文字で書くこと。
  • 役職名が長くて書き切れない場合は、宛名の右隣に書いてください。
  • 役職が複数ある場合は、改行して書きましょう。

宛名

  • ハガキの中央に、住所よりも大きな字で書きましょう。

敬称

  • 会社名を宛名にする場合、宛名の下に「御中」と書きます。
  • 会社の個人名を宛名にする場合、宛名の下に「様」と書きます。
  • 「御中」と「様」は重複して書いてはいけません。

連名

  • 同じ部署内の複数人(連名)で送る場合、1人ずつ送りましょう。もし連名で送ってしまうと、誰が受け取っていいか悩ませてしまうからです。
  • 年賀状の送り先が会社全体や部署全体の場合、「◯◯御一同様」と書きましょう。

「裏面」を作る6つのポイント

続いて裏面の書き方です。プライベートでの年賀状とは違って、書き方が違うので気をつけてください。

賀詞

先ほど説明した通り、賀詞は4文字以上を使いましょう。

  • 「謹賀新年」
  • 「恭賀新年」
  • 「謹んで新年をお祝いします」
  • 「あけましておめでとうございます」
  • 「謹んで新年のお慶びを申し上げます」

あいさつ文「お礼・ご挨拶」

賀詞に加えて、昨年でお世話になったことへの感謝の言葉を書きましょう。

  • 「昨年は大変お世話になりありがとうございました」
  • 「昨年は格別の御厚情を賜り厚く御礼を申し上げます」
  • 「旧年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」
  • 「旧年中は格別のお引立てを賜わり誠にありがとうございました」

あいさつ文「今後の指導・支援をお願いする」

取引先への指導や支援を願う言葉を書きましょう。

  • 「本年も倍旧のお引き立ての程宜しくお願い申し上げます」
  • 「本年も変わらぬお引き立ての程何卒宜しくお願い申し上げます」
  • 「今年もご支援ご指導の程宜しくお願い申し上げます」

あいさつ文「取引先の繁栄を願う」

最後に、取引先の繁栄を願う言葉を添えましょう。

  • 「貴社のますますのご発展を心よりお祈りいたします」
  • 「貴社益々のご繁栄と社員皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます」
  • 「新しい年が皆様にとって佳き年でありますようお祈り申し上げます」

日付

  • 元号か西暦を書きます。

 元号→「令和二年元旦」

 西暦→「二〇二〇年元旦」

  • 注意点は、「自分がハガキを作成した日付」は書かないこと。

差出人

  • 差出人である自分の情報を書きましょう。

 会社住所、会社名、電話番号、部署名、差出人名

手書きメッセージ

先ほど説明した通り、「手書きメッセージ」を添えることで、相手に好印象を残せます。日頃の感謝や今後の抱負などを「自分の言葉」で書きましょう。「どんなことを書けばいいのかわからない」という人は、以下4つのどれかを参考に書いてみてください。

  • 自社の近況報告
  • 相手への感謝
  • 相手を気遣う言葉
  • 今後の抱負

ビジネス年賀状の文例集

実際のビジネス年賀状の事例をご紹介します。日付や住所などは省略します。

文例1

賀詞:「謹賀新年」

あいさつ文1:「昨年は大変お世話になりありがとうございました」

あいさつ文2:「今年もご支援ご指導の程、宜しくお願い申し上げます」

あいさつ文3:「貴社のますますのご発展を心よりお祈りいたします」

手書きメッセージ:「今後ますます御社のお力添えになるよう精進してまいります」

文例2

賀詞:「謹んで新年のお慶びを申し上げます」

あいさつ文1:「昨年は格別の御厚情を賜り厚く御礼を申し上げます」

あいさつ文2:「本年も倍旧のお引き立ての程宜しくお願い申し上げます」

あいさつ文3:「貴社益々のご繁栄と社員皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます」

手書きメッセージ:「ご無沙汰ですが近況いかがでしょうか」

文例3

賀詞:「あけましておめでとうございます」

あいさつ文1:「昨年は大変お世話になりありがとうございました」

あいさつ文2:「年も変わらぬお引き立ての程何卒宜しくお願い申し上げます」

あいさつ文3:「新しい年が皆様にとって佳き年でありますようお祈り申し上げます」

手書きメッセージ:「今後も新商品開発を含めて新しいことにチャレンジしてまいります」

しっかりマナーを押おさえて書きましょう。

こんな時どうしたらいい?ビジネス年賀状に関するQ&A

ここからは、ビジネス年賀状を作るときの疑問にお答えします。参考にしてください。

年賀状作成を失敗しないためには?

いざ完成した年賀状を見ると、「あれ?文字の向きが反対だ…」なんてことはありませんか?そのような失敗をしないために、印刷する前にテストしてみましょう。年賀ハガキと同じサイズの紙を作り、試しに1枚印刷してみてください。向きを間違ったり、文字がボケたり、プリンターの設定が違っているかもしれません。少し手間ですが、いきなり何十枚と印刷する場合は、テストしましょう。

ご無沙汰な取引先には出す?書き方は?

近年取引のない取引先でも、年賀状を出しましょう。「気にしてくれているんだ」と気遣いが届き、取引が再開する可能性があるからです。その場合、あいさつ文だけ気をつけてください。

「すっかりご無沙汰しております 平素の疎遠をお詫び申し上げます」

と書いておきましょう。

また、手書きメッセージは、通常よりも長めに書いてください。ご無沙汰しているからこそ、感情のこもったメッセージを伝えましょう。

12月25日までに投函できなかったら?

先ほど説明した通り、年賀ハガキの投函は「12月15日〜25日」までです。もし何らかの事情で遅れて出すことがあれば、「寒中見舞い」として出すようにしてください。寒中見舞いとは、1月5日〜2月4日頃までに出す、季節の挨拶状のことです。注意点としては年賀ハガキではなく、寒中見舞い用のハガキで出してください。以下のように書きましょう。

  • 寒中見舞いの言葉:「寒中お見舞い申し上げます」
  • 先方の健康を喜ぶ言葉:「皆様におかれましては変わりなくお過ごしとのこと 心よりお喜び申し上げます」
  • 年賀状へのお礼とお詫び:「新春のご祝詞を頂きながらご挨拶が遅れてしまいました。誠に申し訳ございません」

出していない企業から届いたら?

可能であれば、1月7日(松の内)までに届くよう返信しましょう。もし間に合わなくても、できるだけ早く返事を送ります。1月7日以降は「寒中見舞い」となるので、注意してください。注意点として「寒中見舞い」のハガキ内では、「元旦」の言葉は使ってはいけません。元旦は、1月1日を指すため、失礼に当たります。また、ハガキに返信が遅れたことのお詫びを添えるようにしましょう。

裏面が写真の年賀状を出してもいい?

ビジネス年賀状では、写真を使った年賀状は避けた方がいいでしょう。どうしても、私的なイメージがあるからです。

2020年のビジネス年賀状のオススメは?

2020年の干支は、ねずみです。ビジネス年賀状では、プライベートと違って、フォーマルなデザインを選ぶことをオススメします。アニメスタイルやキャラクターテイストは、人によっては失礼に当たるかもしれません。できるだけ、落ち着いたデザインを選んだ方が無難でしょう。

まとめ:ビジネス年賀状の作り方

年賀状の作り方をまとめてご紹介しました。

いかがでしたでしょうか?無事に年賀状が作成できれば、幸いです。

長くなったので最後にまとめておきます。

  • ビジネス年賀状は減っているからこそ、他社との差別化のチャンス
  • ビジネスパーソンの約77%の人が「年賀状は必要」だと感じている
  • ビジネス年賀状は「縦書き」「縁起の悪い言葉、句読点はNG」「賀詞は4文字以上」
  • ビジネス年賀状は「手書きメッセージ」が喜ばれる
  • ビジネス年賀状にはあいさつ文3つが必須!

ビジネス年賀状は、相手に気遣うからこそマナーが複数あるものです。しかし、私たちのメッセージが相手に届けば、とても喜んでもらえます。もし想いが届けば、新年の挨拶で「年賀状ありがとう」なんて訪問してくれるかも!

この記事を参考に、スムーズに年賀状が作れることを願っております。

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